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【アラベスク】  第11章 彼岸の空



すごく大雑把な [ あらすじ ]




  ツバサと喧嘩をしてしまったコウ。やっぱり謝るべきだと決心して唐草ハウスへ向うと、その入り口で田代(たしろ)里奈(りな)と再会してしまう。お互いにもう何とも思っていない二人は、不思議とごく自然に会話する。だがそんな二人の姿を目撃してしまったツバサの心は穏やかではない。どうして二人が会ってるんだろう? もう何とも思っていないと言うコウの言葉にも疑問を持ってしまうツバサ。だが疑って探って、本当は田代里奈の事が好きだと言われるのが怖く、結局は追求する事もできない。不甲斐ない自分に呆れるツバサ。
 一方、霞流(かすばた)慎二(しんじ)のとんでもない姿を見せられた美鶴(みつる)は、霞流の家で頭を混乱させる。事情を知ってやってきた智諭(ちさと)にも八つ当たり。やっぱり恋などすべきではなかったと自分に言い聞かせ、半ば投げやりに自分の人生を呪う。
 そんな二人が秋の夕暮れに偶然出会う。ツバサの口から霞流や智諭の名前を聞き、動揺せずにはいられない美鶴。もう他人になど関わるべきではないと思うのに、美鶴は智諭に連絡を取る。そんな意味ありげな態度を見せる美鶴を滋賀へ誘うツバサ。
 滋賀で、ツバサの兄やその彼女である織笠(おがさ)(れい)の身の上に起こった出来事を知らされる美鶴とツバサ。さらには鈴を自殺へ追いやった原因の少女が慎二の彼女であった事実を聞かされ、美鶴は複雑な気持ちに陥る。
 自分のしたい事って、何だろう? 自分を変えようと必死に努力するツバサの態度を、なぜだか馬鹿にはできない美鶴。
 その頃、瑠駆真(るくま)廿楽(つづら)華恩(かのん)の自宅へ強制的に呼びつけられる。自分を自殺に追いやった責任を取らせようと迫る華恩。だがその場に現れた教頭の浜島(はまじま)が瑠駆真を擁護する。どうやら瑠駆真の素性が知れてしまったのだ。
 一方的に自宅謹慎を解除された美鶴。望まずして素性が露見してしまった瑠駆真。自分の無力に焦る(さとし)。美鶴に会おうとするが勇気が空回りする里奈。
 彼らの複雑な心情を抱えたまま、秋は少しずつ深まっていきます。







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